「永遠の出口」(森絵都)を読んで

こんばんは、あずきなこです。

久しぶりに発掘した本の中に「永遠の出口」がありましたので、読んだ感想です。森絵都著。

中学生ぐらいの頃に初めて読み、そのあまりにもリアルな出来事人間模様にガツンと衝撃を受けて以来たびたび読み返している本です。
9章+エピローグの10章編成で、主人公の紀子の小学生時代から高校卒業まで+エピローグで就職の話がちょっと、となっています。あれ?私ついこの間も似たようなこと書いたな。自叙伝的形式の本が好きなのは、いつか同じ状況になる日の予習ができるからでしょうか。

中学生の頃はちょうど主人公の中学時代を描いた「ルールに固執し見栄と名誉のために話を聞いてくれない(ように見える)母への失望」「善意と正論で行動する友達と過ごす寂しさ」「何も考えずに大騒ぎできる場所の楽さ」等々の生々しさにうなずきながら読みました。
特に↓これ。

うっかり秘密など打ち明ければどう広まるかわからないし、何に利用されるかもわからない。弱みを見せれば足元をすくわれるし、本音をもらせば笑われる。

5章 遠い瞳 より

私の通っていた中学校は校則なんてあってないようなものでしたが、クラスや部活でそれなりに楽しくやりながら、頭の片隅ではいつもこれを思い出して人の顔色を窺っていた気がします。

その後も、アルバイトや恋や進路選択が本の中の出来事ではなくリアルに自分の人生に登場した時、参考書のようにこの本を開いてきました。

アルバイトは自由で、開放感があって、だから楽しい。学校とは違って重たくない。いやになったら辞めればいいし、また新しいどこかを探せばいい。誰も私を縛らない。そして私も、誰のことも縛れない。

7章 放課後の巣 より

毎日の会話、間断のない関係性。それを保つための相互努力。すなわち、この広い世界でこの人とだけは確実に繋がっている、と互いに思わせ続けること。

8章 恋 より

誰かを好きになったり、憎んだり、この星のいたるところでくりかえされてきた人と人との営みも。すべてが完全に消滅するときが、必ず来る。

9章 卒業 より

好きな一文を書き出していくとキリがなくなるのでこの辺で。
全然違う人生のはずなのに、見覚えがある気がするような誰かも、同じようなことで悩んだりつまずいたりしてるんだよな、と思うとちょっと頑張れるような、安心するような。

それでは今夜はこのへんで!おやすみなさい、またあした(˙︶˙)ノ”

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